薬を続けているのに不安が消えない理由― 薬が整えるものと、整えきれないもの

薬を飲んでいるのに、どうして不安が消えないんだろう」

きちんと通院して、
処方された薬も続けている。
検査の数値も落ち着いている。

それなのに——

・また悪くなったらどうしよう
・このまま治らなかったらどうしよう
・今日のこの感じは悪化のサイン?

そんな不安が、ふとした瞬間に強くなる。

実はこれ、
とても自然な反応かもしれません。

薬を続けているのに不安が消えない状態をやさしく表したイラスト(耳・首まわりの緊張)

薬が整えるもの、整えきれないもの

薬は、炎症や循環、神経の調整など、
体の状態を整えるために大切な役割を持っています。

けれど、不安は、
「症状があること」そのものに加えて、体の緊張があることで強まることがあります。

この部分については、
薬とは少し違う視点も必要になる
ことがあります。

症状が続いた期間が長いほど、
体は無意識のうちに構えやすくなります。

・小さな違和感にも気づきやすく
・静かな時間ほど気になってしまう
・少しの変化でドキッとする

そんな状態になりやすくなります。

これは“気のせい”ではなく、
体があなたを守ろうとしている働きです。

「治っていないから不安」ではないこともある

不安が続いている=悪化している
とは限りません。

薬で状態を整えていても、
緊張が抜けきらなければ、
不安は強く感じやすいままというケースもあるのです。

これは気持ちの問題ではありません。

体の反応のひとつです。

不安が強いとき、体では何が起きている?

不安が強まると、

・呼吸が浅くなる
・首や顎に力が入る
・お腹が硬くなる
・手足が冷える

こうした変化が起こりやすくなります。

つまり、
「症状があるから不安」
だけではなく、
「不安によって体がさらに緊張する」
という循環が生まれてしまうことがあるのです。

大切なのは「不安を消す」よりも

そういったときには、不安をゼロにしようと、
急がなくてもいいのかもしれません。

まずは、
「不安があるのは、それだけがんばってきたからかもしれない」
そんな見方があることを、
知っておくだけでも十分です。

それだけでも体が少しずつ落ち着きやすい状態を取り戻し
不安もゆっくり静まっていくことがあります。

鍼灸では、
症状そのものだけでなく、

・呼吸の浅さ
・首や顎の緊張
・お腹のこわばり
・手足の冷え

といった“体の緊張状態”にも目を向けます。

緊張がゆるみ、体が安心の方向に傾くと、
必要以上に敏感になっていた感覚も少しずつ落ち着いていきます。

不安を消そうとするのではなく、
体から「大丈夫」を思い出していく。

当院が大切にしているのは、
そんな視点です。

体が落ち着くと、不安も少し静かになる

今の体の状態に向き合いながら、これからの生活を無理なく整えていく養生のイメージ

症状だけでなく、

・体の緊張
・無意識の力み
・気圧や時間帯の影響
・脳の警戒反応
・生活環境

さまざまな要素が重なり合って、
今の状態があります。

だからこそ、
「薬を飲んでいるのに、不安が消えない自分」がいるのも、
決して特別なことではありません。

不安が強いときほど、
体は気づかないうちに緊張しています。

その緊張を少しずつほどいていくことが、
回復の土台になっていくとかんがえています。

この記事を書いた人

難聴・耳鳴り・耳づまり・めまいなどの耳の症状や、
自律神経の乱れからくる不調を中心にご相談をお受けしている鍼灸師。

今つらい症状への施術と、
日々の過ごし方やセルフケアの両面から、体の状態を見つめています。

耳だけを見るのではなく、
体や心にかかっている緊張にも目を向けながら、
お灸を軸に少しずつゆるみやすい状態へ整えることを大切にしています。

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