
「昼間はそれほど気にならないのに、夜になると耳鳴りが強くなる気がする」
このようなお話を、患者さんからよくお聞きします。
実際、夜は耳鳴りが気になる条件がそろいやすい時間帯です。
静かな環境だけでなく、疲れや緊張、自律神経の乱れも重なることで、
昼間よりつらく感じやすくなることがあります。
夜になると耳鳴りが気になりやすい理由
まわりの音が減って、耳鳴りが目立ちやすくなる
昼間は会話や生活音、外の音など、
さまざまな音に囲まれて過ごしています。
そのため、耳鳴りがあってもほかの音に紛れて、
意識にのぼりにくいことがあります。
一方、夜になって部屋が静かになると、
耳鳴りそのものが目立ちやすくなります。
静かな環境で耳鳴りが気になりやすくなる理由については、
耳鳴りが静かな時ほど気になるのはなぜ?
でも詳しくお伝えしています。
不安や意識の集中で、さらに気になりやすくなる
耳鳴りは、耳だけの問題として感じられがちですが、
実際には「気になる」「また鳴っている」と意識が向くことでも、
つらさが強まりやすくなります。
静かな夜は、どうしても耳鳴りに注意が向きやすい時間です。
すると不安や緊張が生まれ、それがまた耳鳴りを目立たせる、
という悪循環につながることがあります。
夜になっても体が休むモードに切り替わっていない
本来、夜は副交感神経が働きやすくなり、
体は休む方向へ入っていきます。
ですが、ストレスや疲労がたまっていると、
夜になっても神経の高ぶりが残りやすくなります。
頭は休みたいのに、体は緊張したまま。
そんな状態では耳鳴りも気になりやすく、
寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりすることもあります。
東洋医学では、このような状態を
上に熱や緊張がのぼりやすい状態、
気が上にのぼって頭まわりが張りやすい状態
としてとらえることがあります。
首や肩の緊張が一日分たまっている
デスクワークやスマホ、気を張る時間が長かった日は、
夜になる頃には首肩まわりがかなりこわばっています。
耳鳴りのある方では、こうした首肩の緊張が重なることで、
夜に症状が強く感じられることがあります。
ただし、ここは少し注意が必要です。
首や耳まわりの緊張があるからといって、強くほぐせばよいとは限りません。
とくに、のぼせやすさや頭の張りが強い方では、
上を刺激しすぎることで、かえって耳鳴りが気になりやすくなることもあります。
寝る前にできる対処法
ぬるめのお風呂でゆっくり温まる
38〜40℃くらいのぬるめのお湯に、
10〜15分ほどゆっくりつかるのがおすすめです。
体がじんわり温まることで、緊張がゆるみ、
休むモードへ切り替わりやすくなります。
とくに、頭がさえている感じや、のぼせ感がある方は、
熱いお湯よりもぬるめの方が向いています。
首や耳まわりは「ほぐす」より「刺激しすぎない」
首肩のこりが強い方では、
やさしく触れることで楽になることがあります。
ただし、耳鳴りが強い時や、触るとかえって気になる方は、
無理にほぐさない方が安心です。
行う場合も、
- 強く押さない
- 長く触りすぎない
- 気持ちよい範囲でやめる
このくらいで十分です。
上に緊張がのこりやすい傾向がある方では、
首や耳のまわりを積極的に刺激するより、
まずは上を静かにして、下を温めるほうが合いやすいことがあります。
スマホを寝る前に見すぎない
寝る直前までスマホを見ていると、
脳が休みにくくなります。
耳鳴りがある方では、
画面の刺激や情報の多さで神経の高ぶりが残り、
夜のつらさにつながることがあります。
寝る30分前だけでも、
画面から離れる時間をつくると、体は少しずつ落ち着きやすくなります。
部屋を完全な無音にしない
静かすぎる環境では、耳鳴りがより目立ちやすくなります。
そのため、寝る時も無音にこだわりすぎず、
自然音ややわらかな環境音を小さく流しておくのもひとつの方法です。
雨音や川の音、一定のやさしい音があると、
耳鳴りだけに意識が集中しにくくなることがあります。
足元を冷やさない
頭や耳ばかりが気になる時ほど、
足元が冷えていることがあります。
こういう時は、上を何とかしようとするより、ま
ず足元を冷やさないことが大切です。
靴下やレッグウォーマー、湯たんぽなどで足元をやさしく温めると、
全身が落ち着きやすくなることがあります。

耳鳴りと睡眠は深く関係しています
耳鳴りが気になって眠れない。
眠れないことで疲れが取れず、神経も休まらない。
その結果、翌日の夜もまた耳鳴りが気になる。
このような悪循環に入ってしまっている方は少なくありません。
睡眠が十分に取れていないと、体の回復は進みにくくなります。
逆にいえば、眠れる体に近づけていくことが、耳鳴りを落ち着かせるうえでも大切です。
まとめ
夜に耳鳴りが気になりやすいのは、
- 静かな環境で耳鳴りが目立ちやすい
- 意識や不安が耳鳴りに集中しやすい
- 夜になっても神経の高ぶりが残っている
- 首肩の緊張が一日分たまっている
といったことが重なるためです。
寝る前は、
- ぬるめのお風呂で温まる
- 首や耳まわりは刺激しすぎない
- スマホを控える
- 無音にしすぎない
- 足元を冷やさない
このあたりを意識するだけでも、夜のつらさが少しやわらぐことがあります。
「毎晩つらい」「眠りにも影響している」「自分で工夫してもなかなか変わらない」
そのような方は、耳だけでなく、
首肩の緊張や自律神経の状態も含めて整えていくことが大切です。
体全体の状態を見ながら、少しずつ落ち着けていきましょう。
